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がんと診断されたら、仕事はどうする?産業医からのアドバイス
がんと診断を受けたら , 仕事
慌てて決断しないでください
がんと診断されたとき、多くの方が「仕事を辞めなければ」と考えます。実際、診断後に離職を選ぶ方の約40〜56%が、治療が始まる前に仕事を辞めているというデータがあります。
でも、ちょっと待ってください。治療方針も副作用も分からない段階で、人生の大きな決断をする必要はありません。
仕事を続けることには、こんなメリットがあります
医学的にも、可能な範囲で仕事を続けることには多くの利点があることが分かっています。
あなた自身にとって
- 経済的な安定が、安心して治療に専念できる土台になります
- 「会社員」「専門家」としての役割が、心の支えになります
- 規則正しい生活リズムが、治療への意欲を高めてくれます
会社にとっても
- 経験豊富な人材を失わずに済みます
- 柔軟な働き方を整備することで、組織全体が働きやすくなります
現在、日本では約45万人が働きながら通院治療を受けています。医療の進歩により、治療と仕事の両立は、もはや特別なことではありません。
まず、この5つのステップを試してみてください
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立ち止まる
診断直後は心が動揺しています。まずは深呼吸。重大な決断は、気持ちが落ち着いてからでも遅くありません。どうしたらいいかは一緒に考えましょう。
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情報を集める
がん相談支援センターをご存知ですか?全国のがん診療連携拠点病院に設置されていて、無料で相談できます。治療との両立について、具体的な制度や支援の情報を教えてもらえます。
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社内で相談する
上司に話す前に、まず産業医や人事部門に相談してみましょう。プライバシーが守られた環境で、利用できる社内制度について教えてもらえます。
最近では、時差出勤、短時間勤務、在宅勤務、特別休暇など、多くの企業が両立支援の制度を整えています。
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チームで支援プランを作る
主治医、産業医、会社と一緒に、あなただけの「両立支援プラン」を作りましょう。一人で抱え込まず、周りの力を借りることが大切です。
希望がありましたら、当院の医師とあなたの務める会社の産業医または、労働衛生責任者と支援プランの作成をお手伝いさせていただきます。
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仲間とつながる
NPO法人や患者会では、同じ経験をした方々と出会えます。「一人じゃない」という実感は、想像以上に心強いものです。
院長(産業医)からのメッセージ
大切なのは、「辞めるか、続けるか」の二者択一ではありません。「自分らしく生き続けるには、どうすればいいか」という視点で考えてみてください。
治療を最優先にしながらも、社会とのつながりを保つこと。それが、あなたらしく生きることを支えてくれます。
私に相談したい方はクリニックまでお問い合わせください。
主な相談窓口
- がん相談支援センター
大阪医科薬科大学病院:https://hospital.ompu.ac.jp/cancercenter/html/section/consulting.html - ハローワークの就職支援ナビゲーター:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000065173.html
- 社内の産業医・保健師・人事部門
- NPO法人や患者会のピアサポート




